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2018年度福岡県同窓会福岡支部主催学術講演会報告

都道府県だより

2018年度 九州歯科大学福岡県同窓会福岡支部主催学術講演会 報告

 

 2019年 3月8日 福岡県歯科医師会館視聴覚室にて、学術講演会が開催されました。

「歯医者はつらいよ!~今 求められる安心・安全な歯科治療~」と題しまして、徳山中央病院 歯科口腔外科主任部長 村木祐孝先生(大38)にご講演いただきました。案内文には「日常臨床において全身的配慮を要する有病高齢者の占める割合が増加していることから、歯科医院においても医学的知識の研鑽、臨床に直結した全身管理の重要性が更に高まっています」とあります。

 折しも、当院の患者さんから、「(ワーファリン服用中のお父様が、)ある歯科医院で、『抜歯は出来ない』と言われていたのだが、その歯がさっき自然に抜けたんだけど、どうしたらいいだろうか?」という電話がかかってきたところでした。上記のケースについては、論じるべきポイントが幾つかあるとは思いますが、やはり患者さんとの関わりの前提として必要なのは、我々が選択した医療行為(経過観察も含めて)について、「その医学的根拠を、如何に患者さんに納得していただける形で提示できるか」という点に尽きると思います。

 歯科疾患は局所疾患でありながら、その治療は全身に関係する外科的侵襲を伴うものとなります。全身疾患の影響で外科的侵襲が禁忌か、それに近い状況でありながら、痛み等の愁訴は切迫したものである場合が多く、限定された条件の中で対応を迫られる我々は、患者と全身を管理している医師の間で板挟みとなり、まさにそれは「歯医者はつらいよ!」とこぼしたくなる立場に立たされていると言えます。

 今回の講演では、

出血傾向の患者への対応

ARONJ等、骨粗鬆症治療薬服用者への歯科的な対応

サイナスリフト等、インプラント外科にまつわる実例と注意事項

抜歯に伴う偶発症

緊急時の対応(AED・心マッサージ等)

 等について、臨床的実例を交えながら分かりやすく解説していただきました。

 個々の事例に対する適材適所の対応には勿論、我々歯科医師の知識の習熟度の向上とその研鑽が要求されます。しかし、例えば、ジェネリック医薬品の登場による薬剤名の多様化、患者さんたち自身が手にできる情報数の飛躍的な増大等々、歯科医師は、様々な医学的状況が、より多岐に、より複雑になる流れの中に立たされています。ここに十全な対応するには、決してドクター一人の力では及びません。これからはコ・デンタルスタッフとの連携のとれた組織力のある医療機関が必要とされるであろう、今後はチーム医療の時代だと、先生は訴えておられました。

 

 たとえ状況が複雑であろうとも、正確な医学的知識と自院の実力の分析があれば、徒に恐れるような必要はないと、力づけていただける講演会でした。

 「敵を知り己を知れば百戦して危うからず(孫子)」だそうです。村木先生ご講演ありがとうございました。

 最後になりましたが、私が学生のころ(20年前)からその姿がほとんど変わっていないことに驚きました点を付け加えさせていただきます。先生、お若いですね!

                               大46 駒澤 誉