九州歯科大学同窓会

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2019年度KDUハンズオンセミナー

学術だより

歯周病は一人では立ち向かえない!

築山鉄平 先生

 

  令和元年10月6日(日)九州歯科大学にて、今年度第4回目のポストグラディエートセミナーが開催されました。まだ暑さが残る中での開催でしたが、多くの受講生の方々が参加されました。

午前は福岡市でご開業の築山鉄平先生による講義が行われました。まずはじめに,今の歯周病予防のお考えに至った経緯を先生御自身の経歴を交えながら話しされました。

本題では,歯周病の重篤化予防をいかに歯科衛生士をはじめとした医療スタッフと連携し,患者様のモチベーションを上げることで行っていくかをご講演されました。歯科衛生士がプレゼンスを取り,患者様の口腔に責任を持つことがいかに大切か,規格写真や唾液検査などの資料取りをすることで患者様一人一人の状態を把握し,個々人のパーソナリティーを考慮したメンテナンス手法を提案する,など基本治療にそった診療の中にも細かい分析と気配りが必要であるということを痛感させられました.また新しい歯周病分類とそれに対する対処法をほぼマニュアル化して実践するとの内容は,多くの受講生に反響があり,アンケートでも「今から自分が何をすべきかわかった」とのお声も多くありました,

変化がないことを楽しめるような意識を患者様に持ってもらうことができれば,患者満足度の高い歯科医療が今後達成できるのではないかと感じました。

受講生からのご質問とディスカッションについても活発に行われ、参加した皆様にも満足度の高い講義となりました。

吉居 慎二

「歯周組織再生とインプラントサイトの骨造成

〜基礎理論からエムドゲインとレーザーを用いた再生療法まで〜」

山下素史先生

  午後からは福岡市でご開業の山下先生による歯周組織再生とインプラントサイトの骨造成のご講演が行われました.再生治療を行うためには、まず基礎的な理論や概念を理解していることが前提条件となり,その上で実践的なテクニックやノウハウを身につけなければならず,この実践的な必要事項は,基礎となる理論から導かれているとのお考えから,基礎的な再生療法の作用・治癒の機序を症例を交えながらご講演頂きました,

 内容としましては,エムドゲインを用いた再生療法を中心に,歯周組織再生療法とインプラントサイトの骨造成の2パートに分けて

・歯周組織再生の必須条件  (Principles of Periodontal Regeneration)

・骨再生が確実に起こるためのバイオロジー (Biology of Bone Regeneration)

・エムドゲインの様々な作用  (Osteopromotive effect)、成長因子、骨補填材についての最新知見

・エムドゲインの効果を最大限に引き出すためのコツ

・レーザーの再生療法への応用

エムドゲインを用いた際の作用機序を中心に現在保険適用されているリグロスとの比較をわかりやすくご解説頂き,歯周組織再生療法の診断や術式を詳細に説明してくださいました.また,骨造成に関しましてもエムドゲインとBIOSを用いての骨造成の作用機序や臨床上のtipsを多くの症例を提示されながれお話され,受講生の方からも「素晴らしい」「歯周外科の理解が深まった」と大変な好評を得ておりました.さらには半導体レーザーを併用した組織再生療法により創傷治癒のスピードを速め,創部の治りも綺麗であるとのご講演は我々には新しい知見で,会場にいる先生方も興味津々に聞き入っておりました.

 エムドゲインを用いた歯周再生療法を基礎的な機序からご解説頂き,多くの臨床症例をご提示いただいたことで,なぜ骨がしっかりとできるのか,またそのために一つ一つの術式のステップが如何に大事であるかということが分かりました.

吉居 慎二