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令和元年度兵庫県同窓会総会定時総会学術講演会開催

都道府県だより

令和元年度兵庫県同窓会総会定時総会、学術講演会が開催される。

モニター 川畑 博史(大51)

令和元年5月25日(土曜日)、ザマーカススクエア神戸にて午後4時より兵庫県同窓会定時総会、午後5時より講演会が開催されました。講演会は、西村則彦常務理事(大41)の司会で始まり、座長は、野口一馬先生(大40)が務められ、福岡大学医学部歯科口腔外科学講座 教授近藤誠二先生(大40)が、お願い止まって! 〜口腔内出血性偶発症に対する対応〜』という演題で発表されました。

講演では、歯科治療時の偶発症の中でも出血性偶発症と対応等について大変わかりやすく解説されました。初めに止血機構の基礎から全身的要因による止血異常である血小板異常(特発性血小板減少性紫斑病など)と凝固異常(血友病、肝疾患など)の全身疾患についての説明をされました。超高齢化社会を迎えた今日心房細動患者数は増加の一途をたどっておりそのため、抗血栓療法中の患者数も年々増加しています。抗血栓薬には、抗凝固薬と抗血小板薬、血栓溶解薬と種類も豊富であり、随時新薬も販売されるため特にDOAC(直接経口抗凝固薬)等の内服薬を把握することは重要です。また、DOACは抗凝固活性のモニタリングがないため注意が必要で、既往歴に心房細動、うっ血性心不全、C型肝炎等を持つDOAC内服中患者の下顎骨骨髄炎手術術後血腫のため呼吸困難になった症例を提示され、DOAC内服患者は慎重に手術しなければならないことを強調されました。また、慢性C型肝炎であったが血友病Aの既往(アネムネ)を聞き落としていた患者に扁平苔癬の生検をやったところ血腫がおさまらず凝固因子補充療法で対応した症例では、血液内科等主治医に事前連絡して術前コンサルトすることの重要性を訴えられました。続いて、抗凝固療法中にARONJが原因で蜂窩織炎を発症した患者ではCRP10.2㎎/dlと高値であったため取り急ぎ切開排膿を行おうとした矢先、PtINR測定不可の検査データが判明。あわや切開すれば止血不可能であったであろう症例では、PTINR過延長した場合は米国胸部疾患学会のガイドラインがあるそうで、ワルファリン中止、ビタミンkやFFP等の投与を術前に行う必要性があることを説明されました。

下顎前歯部のインプラント治療やオトガイ形成術によるオトガイ下動脈の損傷からの口腔底血種の症例は窒息の危険があるし出血点を確認することは困難なので、直接結紮できない場合は圧迫止血を行う。またインプラントを除去して止血はしないこと。血腫の観察がメインで血腫の拡大が進めば、気道確保や気管切開も辞さない。当然挿管も選択枝です。窒息すれば歯科治療でお亡くなりになる症例もあります。こういった場合最後は口腔外からの外頚動脈結紮(脳神経外科)等で対応をしないといけないため大変なことになる。懇親会でたまたま隣にいた先生は気管切開できるというが、一般歯科開業医でできる人はほとんどいないだろう。。。ふつう挿管チューブも置いて無いし。こんな時、輪状甲状軟骨穿刺の手技がせめてマスターできてればと私は思う。

近藤先生は「午前中にオペする分にはいいが夕方オペすると問題になる、というのは夜間に出血の可能性があるからです。午後6時からの抜歯計画は大丈夫でしょうか?正しい外科手技、感染源の徹底除去と術後の対応をしっかりとお願いします。痛み止め飲みすぎないように、NSAIDの飲みすぎで後出血が起こりえます。アセトアミノフェンでもその可能性はあります。抗凝固療法中の縁下歯石除去は、こうパックや止血シーネをあらかじめ作成しておくこと。。。」など最後に力説され講演を締めくくられた。今回も、大変大変勉強になりましたので内容を私なりにまとめさせていただきました。

近年、心房細動や、脳梗塞等の治療だけでなく、がん関連血栓症にたいして抗凝固薬やDOACが用いられているとのこと。循環器疾患を併せ持つがん患者も増え今後ますます血が止まりにくい方々が来院されるのではないかと筆者は本当に悩ましく思っている。

午後7時より懇親会が山川達也専務理事(大35)司会のもと始まり、福水秀樹新兵庫県同窓会会長(大34)が開会の辞を述べられました。来賓は、九州歯科大学同窓会本部片山幹夫会長(大17)、兵庫県歯科医師会副会長塩見聡先生と講演会講師の近藤誠二先生(大40)でした。新入会員の紹介があり小林英里奈先生(大66)写真部、伊藤海斗先生(大67)ラグビー部、松本貴至先生(大67)硬式テニス部、佐々木崇良先生(大67)空手部、

畑中彩花先生(67)バレー部、吉満 真之介(大67)ラグビー部7名が自己紹介いたしました。懇親会は、学生時代に戻れる本当に幸せなひと時でした。

最後に恒例のエールは、中里健次郎常務理事(大37)に新入会員の伊藤海斗先生(大67)と吉満真之介先生(大67)が加わり3名で行われ大変迫力がありました。前会長の玉岡哲朗先生(大30、現相談役)からも閉会の辞が述べられ会は盛況の内に終わりました。玉岡先生のスピーチはいつも本当に楽しみで、今後とも何卒よろしくお願いいたします!